【中学生・高校生必見!】福祉の仕事って何?どんなことをするのか見てみよう

「将来はなんとなく、人の役に立つような仕事がいいかな」

「福祉って聞いたことがあるけど、何をするの?」

「自分にもできる仕事なのか、分からない・・・」

といったことを考えることはありませんか?
福祉の仕事の種類や資格はたくさんあって、調べてもちょっと難しく感じるでしょう。

そこで、この記事では、まずは詳しく調べる前に、
そもそも「福祉の仕事って何?」「福祉の仕事ではどんなことをするの?」について
福祉系大学教員・社会福祉士の Akane が、わかりやすくお伝えします。
学校での調べ学習課題のヒントとして、また進路を選ぶときの参考にしてみてください。
ちょっと気になる福祉の仕事を、さぁ見てみましょう!

<自己紹介>
福祉系の大学で約15年 教員をしている Akane です。
社会福祉士を目指す学生たちと、勉強したり、施設に見学に行ってみたり、
時にはカフェでおしゃべりしたり・・・毎日楽しく一緒に学んでいます。
福祉の仕事って、人にしかできないところがたくさんあります。誰かの支えになり、
そして自分も人間として成長できる、とても魅力的な仕事だと感じています。

そんな福祉のお仕事を、これから将来を考える人にとにかく知ってもらいたい!
という思いで、福祉のお仕事のリアルについてどんどんお伝えしていきます。

1.「福祉」ってなんだろう?

「福祉」というのは、

    ふだんの

    くらしの

    しあわせ  を考えることです。
引用)全国社会福祉協議会 地域福祉ボランティア・教育ネットワーク
   https://www.zcwvc.net/welfare_education/education.html

あなたは「福祉」と聞いて、
最初に何を思い浮かべますか?
高齢者の介護をすることや障害のある人の
お世話をすることでしょうか。
それも正解!なのですが、実はそれだけでなく
もっとたくさんあります。

福祉は、だれか特別な人だけのものではありません。
みんなが幸せになれるように助け合い、
お互いに支えあって生きていく。

それを支援する専門家(福祉の仕事をする人)がいて、
いろんなところで、誰かの幸せな生活のためのお手伝いをしています。

2.いろんなところにある「福祉」

生きていく中で、
いつ、どんな状況になったとしても、
ちゃんと生活できるような「支え」があると、
安心ですよね。
 

これからの人生、いろんなことが起こります。
「気の合う友達ができた」「欲しかったものをゲットできなかった…」
「大好きな推しに会えた!」など、普段もいろんなできごとがありますよね。
ちょっと先のことを考えてみましょう。

将来、働きがいのある仕事をしてお金をもらう、海外旅行に行く,
結婚して家族ができる・・・
これだけではないですが、
あなたの人生には、きっとワクワクできる
楽しいことがたくさん待っています。
しかし、一方では
人生何があるか分からないのも事実で、
もしかすると…病気になる、
体が不自由になる、働けない、
お金が足りなくなる…どうしよう、
困った。。。

自分だけでなく、家族にもそういうことが起こるかもしれません。

そのため福祉はさまざまな人の困った!を対象に、
生活を支える体制
をつくっています。

  図:筆者作成

高齢者や障害者の他にも、病気など医療について、
学校に通う子どものこと、
働く人のこと、
犯罪に関わってしまった人のこと、などなど。
さまざまな人の生活の問題を対象にしています。

さらに、さまざまな人の 困った!は、1つとは限りません。

例えば、ある家庭では・・・       

離婚して、お母さんが1人で子どもを育てている(子ども・家庭福祉)
子どもは発達障害をもっている(障害福祉)
お母さん1人で働いているので、たくさん収入がなく生活が苦しい
(生活困窮の福祉)

このように、たくさんの問題を重ねて抱えている人たちや家族がいるのです。

3.福祉の仕事は何をするの?

1)福祉の仕事には、大きく分けると2つあります。
① ケアワーク
・高齢者や障害者などで生活に必要な身の周りのことをサポートする
(介護:食事・排泄・入浴などの直接体に触れる介助、レクリエーション活動、
食事を作る等の家事、気持ちのサポートなど)
・子どもで、日々の生活にお世話が必要な場合のサポートをする

→このようなケアワークの仕事をする人を
「ケアワーカー」といいます。

② ソーシャルワーク

生活での困りごとを抱える本人や家族から、相談を受ける
・必要な支援を考えて、利用できるように働きかけたり、コーディネートする
・その人の支援に協力してくれる人や支援してくれる場所につなげていく
・住みなれた地域の中で、暮らしやすくするための支援や仕組みづくりをする

→このようなソーシャルワークの仕事をする人を
「ソーシャルワーカー」といいます。

ソーシャルワーカーはこのほかにも、「助けて欲しい」と言えない人がいないか、
気にかけて見つけ出したり、
支援に必要な新しい法律や制度ができるように、国や市町村などに働きかけたりもする、
とても守備範囲の広いお仕事です!

 

2)ケアワーカーとソーシャルワーカーが  働く場所 と 関係する資格

ケアワーカーとソーシャルワーカーには、どんな働く場所や資格があるのでしょうか。
たくさんありますが、ここでは主なものを紹介します。

ケアワーカーが仕事をする場所と資格 

→働く場所

・特別養護老人ホーム、障害者支援施設、児童養護施設など入所して生活する施設
・高齢者のデイサービス、障害者の生活介護など家から通って過ごす事業所
・本人の家や外出先、保育園 など

→目指す主な資格

・介護福祉士(国家資格)、介護職員初任者研修、ガイドヘルパー
・保育士(国家資格) など

 

ソーシャルワーカーが仕事をする場所と資格

→働く場所

特別養護老人ホーム、障害者支援施設、児童養護施設などの入所して生活する施設
高齢者のデイサービス、障害者の生活介護など家から通って過ごす事業所
就労支援の事業所、障害者の相談支援事業所、地域包括支援センター
病院、精神科病院、社会福祉協議会、学校、行政、児童相談所、保護観察所 など

→目指す主な資格

・社会福祉士(国家資格)
・精神保健福祉士(国家資格)など

参考)中央福祉人材センター 福祉のお仕事:福祉の仕事について知る/職種について   
  https://www.fukushi-work.jp/work/sub_category.html?id=1

 

4.福祉の仕事は「チーム」で支援!

人の生活を支援する福祉の仕事は、いろいろな専門家とチームを組んで仕事をします。

例えば・・・
 交通事故で大けがをして入院し、治療を終えてそろそろ退院できそう。
 でも、歩くことができなくなってしまった。
 家で、車いすの生活、これからどうしよう・・・  でも大丈夫!

  

退院した後も、家での生活がうまくいくように、
体のことについては病院の医師や看護師、リハビリを担当する理学療法士が、
家での生活についてはホームヘルパーや相談員、家族が協力してサポートします。

福祉の専門職であるケアワーカーやソーシャルワーカーは、
自分一人で、生活に困っている人の問題を解決することはできません。
医療や保健、教育、市役所などの行政機関といった、
生活に関わるいろんな専門家と協力しながら、チームで支援をします。
その中でも、特にソーシャルワーカーはチームのまとめ役のような存在です。

 

5.あなたはどんな”好き・得意”がある?

福祉の仕事は、人の生活の幸せを考えるステキな仕事です。
次のチェックリストに1つでも当てはまる人は、
ぜひ将来、「福祉の仕事」を考えてみましょう!

☑ 人の話を聞くことが好き・得意

☑ 人のお手伝いをするのが好き・得意

☑ 誰かの役に立つ仕事がしたいと思っている

☑ 「相手のことを知りたい」と、人に興味をもてる

 

6.まとめ

福祉のお仕事って何?、どんなことをするのかについてまとめてみました!

・「ふだんの くらしの しあわせ」を考える福祉の仕事は、高齢者や障害のある人のことだけでなく、
いろんな人が対象になること

・福祉の仕事には、大きく分けて「ケアワーク」と「ソーシャルワーク」がある

・福祉の仕事は、いろいろな専門家とチームを組んでやる!

 

行ってみたい施設などがあれば、直接電話して
ボランティア or  見学をしたい」ということを伝えて相談してみてください。

どこに行けばいいか・何からやったらいいか分からない、という場合には、
あなたの住んでいる市町村の社会福祉協議会に、ボランティアセンターがあります。
そこのホームページを見たり、相談してみると紹介してくれます。
 百聞は一見にしかず! ぜひ、実際に目で見て体験してみましょう。

いきなり、ボランティアや見学はハードルが高い!という人は、
「病院の福祉の仕事って何するの?」「子どもや家庭の福祉の仕事って何するの?」など、
気になるいろんな分野の福祉の仕事について、
記事中で紹介してきいますので
チェックしてみてくださいね。